医師の履歴書と採用面接の準備

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医師の履歴書と採用面接の準備

2023年6月15日 医師のキャリア 医師の採用 0

今日は医師の履歴書と面接について少し考えてみたいと思います。

当社では、ご登録頂いて、転職の方向性をご相談する際に、
履歴書(または経歴の資料、経歴を記載したメモ等)をご提出頂いています。

また、採用面談の際には、書式自由にて、履歴書をご準備頂きます。

医師の履歴書で採用側から確認されるポイント

1)出身高校…大学医学部以降の学歴しか書かない例も多いですが、ぜひ記載しましょう!
2)出身大学…医学部以外の大学を中退・卒業している場合は、明記しましょう。
3)研修施設・勤務施設…在職の年月を間違えて記載しているケースを目にします。
       少なくとも、社会保険・雇用保険に加入していた施設は、正確に記載しましょう。
4)所属学会、専門医等の資格…手当や補助が出ることもあるので抜けもれなく、正確に記載しましょう
5)退職(転職)理由…具体的な退職理由は履歴書に書く必要はありませんが、
           口頭で説明できるように前向きな理由を準備しましょう。
6)志望理由…短く当たり障りのない内容で良いので履歴書に必ず記載してください。

▶アイスブレイクのきっかけになる履歴書を

先ず、あまり大きくない、100-200床規模で常勤医3-8人くらいの
中小規模病院の面接では、面接をする側(理事長や院長と事務長、看護部長等)が
医師の採用面接に慣れていないことが多く
「なにか重苦しい雰囲気」で面接が始まることも多いものです。

場慣れしているエージェントがその場に入りますと、事前に事務長と打合せをした上で、
・先ずは病院及び募集科目の説明と、募集の背景をお話しいただき、
・双方の緊張が和らいだ後に、先生のご経験や、やりたい事についてお話を聞きながら、
面談を進めて行くパターンが多いのですが、

場合によっては、重苦しい雰囲気からそのまま、
先生の履歴書を見て、院長が質問(尋問?!)していく…
という事もあり、益々重く、話しにくい雰囲気に…。

その時に、履歴書が高校から始まっていると
「〇〇先生は、△△県の出身ですか?実は、僕も△△には…で、
 あそこでは□□が美味しかったですね」という感じで、
「医学部から始まる医師としての経歴」という、
診療スキルや病院経営など、互いにシビアにならざるを得ない面だけでなく、
ソフトな面(生い立ち・人柄)の方にも自然と話題が広がります。

採用する側・される側、お互いの人格に触れるきっかけづくりとして、
高校生活をどこで過ごしたかを、学歴に記載しておくことをお勧めいたします。


また、同様の理由で、趣味があれば履歴書に記載することをお勧めします。
特に「スポーツ」「楽器」に関することは、
面接の場で、お話が良い方に広がる傾向があります。

また、人材紹介を利用する先生の中には、志望理由を問われたとき
「紹介会社に勧められたから」と答える先生がいらっしゃいます。
実際そうだとは思いますが、これは、採用面接においてはマナー違反です。
当たり障りのないことで構いませんので、
「紹介会社から案内された中で、〇〇の症例が多いこちらであれば、
 今までの自分の経験を活かすことができると思いました。」
「実際、足を運んでみて、予想以上にきれいで、職員の方の対応も
 明るく気持ちよいものでした。」
など、興味をもった理由や病院への感想をお話しできると良いですね。

▶面接する担当者(理事長・院長・部長)のことを調べておく

面接で良い場を作り、適切に自分をPRするために、面接官についても
事前に調べておくことをお勧めいたします。面接官となる先生方について、
病院ホームページ内に掲示されている関係コンテンツは当然として、
出身医局がどこなのか?や過去の論文などもタイトルとチームに目を通しておくと良いです。

医師の採用面接では、「〇〇先生、知ってますか?」という話になりますので、
もしかすると、〇〇先生は共通の知り合いかも…と、あたりをつけておくと、
当日慌てずに、上手く話しを合わせられると思います。

▶在籍期間・施設名は、正確に記載する。

また、採用する側は、面接の前後のタイミングで、
採用される側の先生について、独自にリサーチされていると考えましょう。
前職照会・経歴調査は、個人情報保護法の施行以降、よほど気を付けない限り
法に触れてしまうこともあり、表立ってすることはありませんが、
医師の場合は、ネット検索だけでもかなりの情報が得られるケースが多いですし、
知り合いを辿れば、何らかの情報は入ってくるものです。
日頃から、ネットのSNSやメディア対応については、品行方正を保ち、
また、履歴書には正確な情報を記載するようにしてください。

卒後数年間は、研修の兼ね合もあり、半年~2年程度で勤務施設を変わることも
多いと思います。在籍期間と施設名は正確なものを記載するよう気を付けましょう。

ぜひ覚えておいていただきたいのは
「職歴詐称は、懲戒解雇される事由となり得る」ということです。

▶ご存じですか?マイナポータルで在籍期間が確認できます。

自分の職歴、特に正確な在籍期間について不安がある場合、
マイナンバーカードとマイナポータルサイトを利用して、雇用保険の加入状況で確認する
という方法があります。

マイナポータル→わたしの情報→雇用保険・労災→雇用保険→最新の情報を取得
上記から、情報を照会すると、雇用保険に加入していた施設毎に、
資格取得年月日(入職日)・離職年月日(退職日)が分かる仕組みになっていますので、
ぜひ、ご確認ください。

▶履歴書に写真は「あった方が好印象」

医師の採用面接時に提出する履歴書ですが、写真を準備頂けない・写真が無い場合もかなりあります。
それが理由で採用見送りになるようなことはございませんが、きちんとした証明写真を貼付することが
基本的なマナーであることは確かです。

〇〇許可申請等、行政手続きに提出する履歴書には写真は必ずしも必要とされませんが、
採用の為の履歴書には、証明写真はつけていただきたいです。(服装は白衣またはスーツ)

わざわざ証明写真を撮りに行く時間が捻出できない場合は、服装と髪を整えて、
スマートフォンで撮影した写真データを送って頂ければ、当方で背景や明るさを加工し、
履歴書に貼付させて頂きます。

▶当日の身だしなみには、気をつけて。

面接当日の服装・身だしなみについてです。
服装としては、スーツが無難ですが、ここ10年ほどで、ビジネスシーンでも
その時々の気候に合わせた服装及びノーネクタイが主流となっています。

Tシャツやジーンズといったカジュアル過ぎるスタイルを
避けていただき、「襟付きのシャツ」スタイルであれば、
ノーネクタイ、ノージャケットでも大きな違和感はないと思います。

¥紹介者として「これは、少し困った…」と感じた医師の服装としては、
・男性医師のアロハシャツ+ジーンズ(沖縄県ではございません…)
・男性医師の髪が大いに乱れていた(トイレで整えてもらいました)
・女性医師のミュール(かかとが固定されていないサンダルタイプのハイヒール)
などがございます。

また、当日は、病院のパンフレットなどを頂きますので、
A4サイズの書類・角2封筒が入る大きさのカバンをお持ちください。

▶面接時の名刺の取り扱いマナー

普段はネームプレートで仕事をしていて、
名刺は事務机の引き出しが定位置という医師ならではと思いますが、
ご面接にお越しの際に「名刺入れ」をお持ちでないケースをよく見ます。

面接では大抵の場合、面接官である理事長や院長先生から名刺を受け取りますので、
面接の日は名刺入れをお持ちいただきたいです。

当日の、名刺の取り扱いですが、
・名刺を受け取る際は、原則「立ちあがった状態で、間に机を挟まずに、両手で受け取る。」
・名刺を受け取る際「ありがとうございます。お名刺頂戴します。」と言って1礼する。
・自分の名刺は原則渡さなくてよい。(個人として、履歴書を渡しているので不要です。
 また、名刺に〇〇病院など記載がある場合は、その病院を代表して面接に来ている
 わけではないので、むしろ相応しくありません。)
着席したら、名刺はテーブルの上に丁寧に並べて置く。
 名刺入れがあれば、一番目上の人の名刺は、自分の名刺入れの上に置き、
 他の人の名刺は、座っている順に並べると良い。
面接が終了したら並べた名刺を、名刺入れに仕舞ってから席をたつ。
が、正しいのですが、

緊張のせいもあってか、
「面談中に渡された名刺を、ずっと手でいじっている」
「終了後、名刺をテーブルに置いたまま、席を立ってしまった」
「名刺入れを持っていなかったため、貰った名刺をズボンのポケットにしまった」
先生を目の当たりにしました。

面接の当日に、名刺入れを忘れてしまった場合は、
例えば、「本日は名刺入れが無く、すみません」等と言いながら、
・クリアファイルに、他の書類と一緒に丁寧に挟む。
・丁寧に胸ポケットに仕舞う。(腰のポケットより、大切に扱っている印象になります)
などして貰えれば、相手に悪い印象は与えませんので、ご安心ください。

▶面接の準備と当日のポイント(まとめ)

履歴書は、高校卒業から記載。職歴は正確に。写真も準備。
服装・髪型はカジュアルになり過ぎないよう注意する。清潔感を大事に。
・当日の持ち物として、大き目のカバン、名刺入れ
 医師免許証・臨床研修修了証・保険医登録票 ※いずれもコピー
 は、面接時に提出を求められる可能性が高いので準備しておく。
名刺の取り扱いマナーを覚えておく。
志望理由及び退職(転職)理由について、
 簡潔に・前向きな理由が説明できるよう準備をしておく。

医師専任・代表キャリアコンサルタント(国家資格) 石井美和

 

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